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自由意志は存在するのか。決定論・運命論に反論する側の研究を中心に、この問いを扱う論文を毎回 Crossref から集め直しています。

「どうせ全部決まっている」という主張が、実際の研究の場でどこまで支持されているのかを、論文の現物で確かめられるようにするのが目的です。

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何が争われているのか

この分野の議論は、4つの論点にほぼ集約されます。

1. Libet実験は本当に自由意志を否定したのか

1983年、Libetは「動かそう」と意識する0.35秒前に脳の準備電位が立ち上がることを示しました。決定は意識より先に脳が済ませている、と読まれ、自由意志否定論の代表的な根拠になりました。

ところが2012年以降、Schurger らはこの準備電位を「決定の開始信号」ではなく、閾値に向かう神経活動の自発的なゆらぎだと再解釈しました。ゆらぎがたまたま閾値に達したところで動くだけなら、準備電位は決定の証拠になりません。否定論の実験的な土台は、現在かなり揺らいでいます。

2. 決定論が真だとして、それは自由の否定になるのか

両立論は「ならない」と答えます。物理レベルで決まっていることと、行為者レベルで選んでいることは記述の層が違う、という立場です(List、Carroll、Ismael)。

非両立論は「なる」と答えますが、そこから決定論のほうが偽だと進む道もあります(Steward)。「決定論を認めたうえで自由を守る」のか「決定論を疑う」のかで、擁護側も割れています。

3. 責任は自由意志を必要とするのか

Fischer の半両立論は、自由意志の問題を棚上げして責任だけを先に確保しようとします。Vargas の修正主義は、素朴な自由意志概念は捨てつつ責任の実践は正当化できるとします。

懐疑側の Caruso は逆に、責任が無いなら刑罰も応報ではなく公衆衛生モデルに変えるべきだと主張します。この論点だけは、制度設計に直接効きます。

4. 人間以外はどうなのか

Brembs はショウジョウバエの行動が刺激から一意に決まらないことを示しました。Steward は動物の行為主体性そのものが決定論と衝突すると論じます。自由度の起源を人間より前に置くこの路線は、議論を「意識があるか」から切り離せる点で強力です。

Libet実験をやってみる

この分野で最も有名な実験です。1983年にLibetがやったことを、そのままなぞれます。所要1分。

実験 あなたが「決めた」のはいつか

点が円を回ります。いつでもいいので、動かしたくなったら「動かす」を押してください。 押すタイミングは完全にあなたの自由です。

追跡している研究者

立場ごとに並べています。所属と立場の要約は手で書いたもの、論文リストは Crossref から自動で集めたものです。

主題からの新着

著者を問わず、自由意志・準備電位・行為主体感・道徳的責任などの主題で新しく出た論文です。

読むならこの本

追跡している研究者が書いた一般向けの本です。論文より先に、まずここから。

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このサイトの立場

読む前に

このサイトは擁護側を主に追うという編集方針を明示しています。中立な文献調査ではありません。何を集めるかを選んでいる時点で、それは主張です。

ただし懐疑側の代表的な論者も必ず載せます。片方だけ並べたものは資料ではなく宣伝になり、読んだ人の判断材料にならないからです。Sapolsky・Pereboom・Caruso の論文も同じ場所に置いてあります。

論文の収集は Crossref のメタデータに基づく機械的なものです。同姓同名や関連の薄い論文が混ざることがあります。各論文のリンク先で原典を確認してください。立場の要約は書き手の理解であり、本人の自己申告ではありません。